住宅ローンの審査を理解する!通らない時はどうする?

住宅ローンを利用する際に最も重要なのは金融機関による住宅ローン申し込みの審査(本審査)です。

住宅ローンの審査に落ちた!とか通った!とはよく聞きますが、そもそも金融機関が住宅ローンの審査をどのように行うのか、そして何を重視しているのかについてきちんと理解しておきましょう。

また、万が一審査に通らなかった時(落ちた時)はどうしたらよいのかも知っておくべきです。

住宅ローン審査の方法

審査イメージ

金融機関による住宅ローンの審査がどのように行われるのかをご説明しましょう。

審査の期間や必要な書類については下記の記事をご覧ください。

icon 住宅ローン手続き(申込~実行)の流れを知っておこう

住宅ローン審査の通過が意味すること

さて、具体的な審査の方法をご紹介する前に、住宅ローン審査に通ること、言い換えると、金融機関が住宅ローンの審査を通すことの意味を改めて考えておきましょう。

最近では、金利競争の激化などで収益率は下がってきているものの、金融機関にとって住宅ローンは個人向けの主要な商品の1つです。

元金を回収し、さらにその利息から収入を安定的に得る点にこそ、金融機関が住宅ローンを商品として提供している意味があります。

ですから、住宅ローンの審査は、金融機関がそうした安定的な収入を確保できるのか否かを判断する重要な機会であり、慎重に行われます。

このように考えると、金融機関が住宅ローンの審査で申込者に対して重視するのは、次の1点のみと言えます。

  • 「この申込者は、安定的に住宅ローンを返済し、完済することが可能かどうか」

回収の見込みがない融資を金融機関はしません。

つまり、住宅ローンの本審査を通ったということは、その申込者が安定的に住宅ローンを返済し続けて完済が可能であると金融機関が判断したことを意味します。

この判断を行うために金融機関ではきちんとリスクを考慮した方法で審査を行っているのです。

住宅ローンの審査金利とは?

住宅ローンの審査の際、金融機関は実際に適用する金利では判断をしていません。

各金融機関では審査用の金利(審査金利)を用いて、その申込者が返済可能かどうかを判断しているのです。

これは融資実行後に金利が上昇した場合に、申込者が問題なく返済できるのかどうかを判断するためです。

この審査金利は各金融機関や金利水準によって異なりますが、3%程度の審査金利が用いられています。

審査金利は首都圏の平均的な家族構成の家庭の生活費や教育費などの統計と分析をもとに算出されています。

住宅ローン審査の手法

従来の住宅ローン審査の方法は「要綱審査」と呼ばれる方法が主流でした。

これは住宅ローンの商品要綱(貸出のための各種の条件)に照らし合わせて判定し、要綱から外れた点がある場合は審査を通さない方法です。

例えば、勤続年数に関して商品要綱が「勤続年数2年以上」と定めていた場合、住宅ローン申込者の勤続年数が1年であれば、要綱審査には通らない(=審査に落ちる)ことになります。

これですと、例えば住宅ローン申込者が転職して勤続年数が1年程度の場合でも審査に落ちてしまうことになってしまいます。

リスク計量化モデル審査が増えている

こうした要綱審査に対して、近年では「リスク計量化モデル審査」と呼ばれる審査方法の採用が増えてきています。

リスク計量化モデル審査とは、申込者(借主)の属性を要綱審査よりも細かく判定して、加点・減点を行うことによって融資額を決定する方法です。

例えば、申込者の勤務先が安定が見込める組織である場合(例.公務員、大企業)は、加点され、反対に自営業者の場合は減点されるといった具合です。

この加点、減点とは、加点=貸出金額増、減点=貸出金額減、という意味で、加点が多ければその分、融資金額が大きくなります。

このリスク計量化モデル審査ですと、先ほどの転職で勤続年数が少ない場合、単純な勤続年数だけで判断するのでなく、「転職先の会社がどのような会社か」という点まで加味して判断してくれます。

例えば、キャリアのステップアップとして前よりも大きな会社に転職して年収が上がっているのであれば、リスク計量化モデル審査ならば融資が認められるケースも出てきます。

リスク計量化モデル審査の属性の例は以下のとおりです。

  • 年齢(完済時)
  • 勤務先規模
  • 勤続年数
  • 年収
  • 国家資格有無(例.医師、弁護士、税理士など)
  • 他の借入残高や返済状況
  • 個人信用情報

また、これらのほかに自己資金が多いと有利になりますし、返済比率に余裕がある場合も同様に有利に判定がされます。

決まりに沿って厳格に判定する要綱審査に比べて、リスク計量化モデル審査はより柔軟に判定する方法と言えます。

住宅ローン審査で重視される点は何か?

住宅ローン審査を重視点を案内する女性

住宅ローン審査の際に金融機関が重視する点をご紹介しましょう。

個人信用情報

銀行、クレジットカード、消費者金融の顧客の利用状況を「信用情報」と呼びます。

銀行やクレジットカード会社、そして消費者金融は、専門の信用情報登録機関(後述)にその顧客の利用状況を登録することが義務付けられていて、各金融機関は信用情報登録機関とオンラインでつながっています。

住宅ローンの申し込みを受けた金融機関は、まず最初にオンラインでこの信用情報、すなわち他の借り入れの有無や返済の状況を確認します。

これはわかりやすく言うと以下のようになります。

  • どこからどれだけのお金を借りたか、そして返したか(返さなかったか)は常に記録されている
  • この記録はお金を貸す企業や業界で共有されている
  • お金を貸す企業はいつでもその記録を見ることができる

さて、この信用情報ですが、例えば、借入に延滞がある場合は、その借主の事故情報として登録がされます。

ただし、延滞なら何でも登録されるかと言うとそうではなく、延滞が3ヶ月以上継続した場合や延滞が複数回発生した場合に登録がされます。

また、過去の勤務先の情報も登録されていて、転職歴や勤続年数が分かることもあります。

ですから、住宅ローン申し込みの際には、他の借り入れや勤続年数などを記入する際には誤りが無いようにきちんと記入するように注意しましょう。

事実と異なる記載があると、最悪の場合は虚偽申告とみなされて住宅ローンの審査も否決(=審査に落ちる)されてしまいます。

3つの信用情報登録機関

こうした信用情報の登録機関には下記の3つの機関があります。

それぞれ、全国銀行個人情報センターは銀行系、CICは信販・クレジット系、そしてJICCは消費者信用系です。

これらの機関はネットワークでつながれ、事故情報は相互利用が可能になっています。事故情報の登録期間は5年です。

審査に影響する個人情報は何?

住宅ローンの審査時に、否決されたり、その可能性が高まる影響を与える個人信用情報としては、主に下記があります。

事故情報

いわゆるブラック情報と言われるものです。

過去に金融機関からの融資を返済できずに保証会社が代わって返済をした記録(代位弁済歴)があったり、自己破産や個人再生手続(債務整理)の記録、また、最近の借金延滞の記録があると、原則として、審査は否決(審査に落ちる)されます。

キャッシング限度額の借り入れ

キャッシング限度額までの借り入れが5件以上ある場合は、審査が否決される可能性が高くなります。

これは多重債務者とみなされるためです。

キャッシング限度額で注意しておきたいのは、キャッシング機能付きのクレジットカードです。

金融機関によっては、クレジットカードのキャッシング機能を使っていなくても保有しているだけで限度額の借り入れをしているものとみなされて審査されることがあります。

ですから、ほとんど使わないクレジットカードを持っている場合は解約しておいた方が良いです。

また、金融機関によっては消費者信用系のJICCに借入履歴があると、たとえ延滞の記録がなくても審査が否決されることもあります。

物件の担保価値

金融機関が融資した住宅ローンが回収できない場合に備えて、保証会社(または金融機関)は、住宅ローンの対象になる土地と建物の価値を評価します(担保評価)。

当然、金融機関としては融資金額(=住宅ローン借入額)よりも担保評価額の方が上回らなければ、審査を通しません。

注意しておきたいのは、建物は一度でも住むと「中古」とみなされて価値が低下することです。

このことは特に住宅ローンの借り換えの際に影響することがあります。

ただし、建物については担保評価額そのものでなく、金融機関では一定の調整をした基準を設けて評価しています。

また、土地の評価は、住宅購入時の住宅ローンは売買価格で評価され、住宅ローンの借り換えの際は路線価で評価がされます。

住宅ローンの借り換えについては下記の記事でご紹介しています。

icon 住宅ローン借り換えの流れ、目安、ポイントは?

住宅ローン借り換えの具体的な進め方は下記の記事でご説明しています。

icon 住宅ローン借り換えの進め方とおすすめの方法!

申込者の収入の評価

住宅ローン申込者の収入も審査の重要な点です。

金融機関の観点としては、長期にわたって安定して無理なく返済ができるのかを、申込者の収入に関する情報から判断します。

申込者の収入の程度に応じて返済額の上限が決まり、その上限内で住宅ローンの融資金額が設定される仕組みです。

会社員の場合

会社員(給与所得者)の方については、源泉徴収票、住民税課税決定通知書などの書類をもとに金融機関は収入(年収)の判断をします。

また、会社員の方の場合、勤務先の規模は収入の安定性を判断するのに重視されます。

自営業の場合

自営業の方の場合は、直近3年分の確定申告書や納税証明書の提出が求められます。これは会社員(給与所得者)と比較して収入の安定性をより慎重に判断されるためです。

自営業の方の場合、「収入」ではなく、経費を引いた「所得」で判断されますので、特に節税対策を行っている方は注意しましょう。

また、3年分の所得が順調に増えていれば問題ありませんが、上下の波があったりすると、金融機関では3年分の平均で判断したり、または一番低い年の所得で判断します。

住宅ローン審査に通らない時は

住宅ローン審査に落ちて悩んでいる女性

上記で見てきた住宅ローン審査で重視される点を問題なくクリアすれば、晴れて審査は通過となります。

さて、審査に通らなかった場合(否決された場合、要するに住宅ローン審査に落ちた場合)について考えてみましょう。

個人信用情報が原因の場合

まず、個人信用情報の事故情報(ブラック情報)が原因で否決された場合は、残念ながら今後も審査に通るのは難しいと言わざるを得ません。

ただし、延滞の場合は、延滞した時から相当の日数が立っていて、その回数も極めて少ないのであれば、金融機関によっては認められる場合があります。

また、キャッシングによる借り入れが原因の場合は、ひとまずその借入を減らすしかありません。

借金に依存せざるを得ない現在の家計を見直したうえで、再度チャレンジすることになります。

収入の少なさが原因の場合

借入額に対して申込者の収入が少ないと判断された場合は、他者の収入を合算して借入額を増やすことが可能です。

例えば、配偶者がいる方は、配偶者の方の収入を合算したり、また、親子(義理も可)での合算で、申込を行い、借入額を増加させることができます。

これらの場合、申込の形態は「連帯保証」、「連帯債務」、「ペアローン」の3つの形態があります。

連帯保証

収入を合算する人(例えば、申込者の配偶者)は「連帯保証人」になります。

連帯保証人は主債務者と同居していることが原則です。

万一、申込者が返済できなくなった場合、連帯保証人である配偶者には抗弁権がなく、債務者と同等の義務を負うことになります。

抗弁権とは、この場合は、債権者(金融機関や保証会社)に対して、主債務者の申込者に先に請求するよう求めたり、同じく申込者の財産を差し押さえを求める権利を言います。

また、連帯保証人は団体信用生命保険の適用がありません。住宅ローン控除も受けられませんのでご注意ください。

連帯債務

住宅ローンの契約において、申込者と収入合算者(例えば、申込者の配偶者)の2人が、それぞれ借入全額の債務を負うものです。

連帯債務の場合は、申込者と収入合算者のそれぞれで所有権を持つことになります。

連帯債務の場合も収入合算者には団体信用生命保険の適用はありませんが、住宅ローン控除は受けることが可能です。

なお、連帯債務は取り扱っていない金融機関もあるのでご注意ください。

ペアローン

ペアローンは、1つの物件に対して住宅ローン契約が2つ存在する形態です。

例えば、3000万円の物件について、申込者が2000万円、その配偶者が1000万円と分割して申し込む形態です。

この場合、2名合算で一括して審査するか、2名それぞれを審査してから合算するかは金融機関によって異なります。

ペアローンでは、それぞれの借り入れ分について団体信用生命保険の適用があります。住宅ローン控除もそれぞれの金額で受けることができます。

また、ペアローンも同居が原則です。

あきらめずに他の金融機関の利用も

以上、住宅ローンの審査についてご説明してきました。

審査でどのような点が重視されるのかをしっかりと理解しておいて、住宅ローン手続きをスムーズに進められるようにしましょう。

万が一、審査に落ちてしまっても、住宅ローン審査の基準自体は各金融機関によって異なりますから、あきらめずに他の金融機関にあたってみることも検討しましょう。

また、住宅ローン審査の際には団信(団体信用生命保険)の審査も同じタイミングで行われることが多いのですが、この団信の審査も重要です

下記の記事でご紹介していますのでこちらもぜひご覧ください。

icon 住宅ローンの団体信用生命保険とは?審査内容は?

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