住宅ローン繰上返済のポイント

住宅ローンの繰上返済には返済期間を短くしたり、毎回の返済額を下げたりする効果があります。

さらに、住宅ローンの繰上返済は借り換えとともに有力な利息削減方法の1つでもあるのす。

繰上返済のポイントをしっかりと理解して住宅ローンの返済プランで効果的に利用しましょう。

住宅ローンの繰上返済とは

住宅ローンは融資を受けた後、定期的(毎月、ボーナス時など)に金融機関に一定の金額を返済していきます。

これとは別に、手元の余剰資金、例えば、貯金や退職金、さらには親からの相続で得た資金などから住宅ローンの全て、または一部を返済することを住宅ローンの繰上返済と言います。

繰上返済の種類

住宅ローンの繰上返済には、返済する額によって「一部繰上返済」と「全部繰上返済」の2種類があります。

また、「一部繰上返済」には、さらにその効果によって「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

一部繰上返済

一部繰上返済は、残りの借入金の一部を返済するものです。

住宅ローンの残額にもよりますが、多くの場合は、こちらの繰上返済を利用することになるでしょう。

返済期間短縮型

一部繰上返済の「返済期間短縮型」は、毎回の返済額は変えずに、繰上返済によって住宅ローン返済の期間を短くするものです。

返済期間短縮型で住宅ローンの繰上返済をする場合に注意しておきたいのは、繰上返済後、将来に住宅ローンの期間を延長することが難しいことです。

返済額軽減型

一部繰上返済の「返済額軽減型」は、返済期間は変更せずに、繰上返済によって、住宅ローンの毎回の支払金額を抑えるものです。

全部繰上返済

全部繰上返済は、文字通り、残りの住宅ローン残高を一括で全て返済するものです。

繰上返済の手数料

住宅ローンの繰上返済を行う場合、金融機関には手数料を払います。

金融機関や金利タイプによって異なりますが、手数料は数千円~数万円といったところです。

ただし、最近はインターネットで繰上返済の手続きを行うことで、手数料が無料になる金融機関も多く、また、ネット銀行系ではそもそも最初から繰上返済(一部、全部とも)の手数料無料の設定がされていたりします。

たとえ、数万円かかったとしても、繰上返済で得られる大きな効果を考えると、利用を迷うような金額ではありません。

住宅ローン繰上返済のメリット

返済予定表

さて、ご紹介したように住宅ローンの繰上返済の効果には、返済期間を短縮したり、月々の返済金額を低く押さえたりすることがありますが、実はこれが繰上返済の最大のメリットではありません。

住宅ローンの返済額は、元金と利息に分けられますが、繰上返済は、このうちの元金の返済に充てられます。

つまり、住宅ローンの繰上返済を行うことで、住宅ローンの「元金を減らす」ことができるのです。

この点こそ、住宅ローン繰上返済の最大のメリットと言えます。

住宅ローンの利息は下記の式で求められます。

  • 住宅ローン利息 = 住宅ローンの借入残高 × 金利

この式から、繰上返済により元金、つまりその時点での借り入れている住宅ローンの残高が減りますので、住宅ローンの利息も減少します。

このことは、仮に今後金利が上昇したとしても、繰上返済をして元金を減らしていたことで、利息上昇への影響を抑えることができることを意味しています。

例えば、金利タイプの変動金利型の住宅ローンは現在の十分に低い金利状況であれば、月々の返済で利息負担は少なく、しかも元金返済も進めることが可能になります。

繰上返済の注意点

住宅ローンの繰上返済を利用する際の注意点をご説明しましょう。

無理をして繰上返済をしない

住宅ローンの繰上返済に関しては、「繰上返済病」とか「繰上返済貧乏」といった言葉があります。

いずれも、無理をして住宅ローンの繰上返済をしている状況を表している言葉です。

例えば、「少し余分な資金ができたらすぐに繰上返済する」「貯金100万円を超えた分はすぐに繰上返済する」という状況ですね。

住宅ローンの返済をなるべく早く終わらせたい、負担を軽くしたいという気持ちはとてもよく分かります。

ですが、そのために日々の生活や長期的なライフプランに影響がでるような返済の仕方は、正直に申し上げると健全とは言えませんし、また、大変ストレスもたまるものです。

住宅ローンの繰上返済は、ライフプランや緊急の際に必要になるお金を考慮したうえで利用するようにしましょう。

一般に住宅ローンは借主の方やそのご家族にとって長い期間利用するものです。

その長い人生の中では、例えば、病気や失業といった予期せぬ生活の変化や、また、お子さんの教育費の準備など様々なシーンでお金が必要になる場面が発生します。

住宅ローンの返済を最重要視して繰上返済を頻繁に行って、いざというそうした時に必要なお金が捻出できないという事態にならないようくれぐれも気をつけてください。

例えば、不測の事態(例.病気や失業)のために200万円、教育費として200万円など、そうした資金を用意したうえで、住宅ローンの繰上返済を考えるのがよいですね。

また、住宅ローン以外の借り入れ、例えば、自動車ローンなどがあって、その金利が住宅ローン金利よりも高い場合などは先にそうした借り入れの返済に余剰資金を充てるほうがよいです。

早い段階で繰上返済した方が良いのか

住宅ローンについて、「繰上返済は(借入後)早い方がお得」と言われることがあります。

このような時は下記のような例があげられることが多いです。

例えば、借入額2500万円、金利3%、返済期間35年の住宅ローンで、100万円の繰上返済を行う場合では、いつ繰上返済をするかで、返済回数の削減や節約される利息には下記のような違いが出ます。

返済開始後1年後の場合

  • 返済回数の削減:28回
  • 節約される利息:約169万円

返済開始後20年後の場合

  • 返済回数の削減:16回
  • 節約される利息:約54万円

返済回数の削減、節約される利息額はともに早い繰上返済の方が大きいですね。

繰上返済ではなくて、投資する選択肢もあるのでは

さて、これをもって「やはり繰上返済は早くした方が良い!」とお考えになるのは、少し待ってください。

そのように考える前に、上記では、長期の固定金利での借り入れが前提になっていることに注意しておきましょう。

長期の固定金利で住宅ローンを借り入れると言うことは、借入者の考えでは、今後金利が上昇するということ予想していることになります。

金利が上昇するという予想をしているのであれば、住宅ローンの繰上返済に回そうと考えている資金を投資に回すという考え方があっても良いはずです。

例えば、金利が上昇する局面であれば、株価の上昇もまた見込まれます。

もしも、株式などの投資の運用益が繰上返済での削減額よりも上回るようであれば、投資の方を検討するという選択肢があってもよいのではないでしょうか。

もちろん、将来の金利の動向は結局のところは誰にも分からないのですから、これはどちらが正解かという話ではありません。

住宅ローンの金利については以下で詳しくご説明していますので、こちらもご覧ください。

icon 住宅ローン金利は固定金利と変動金利どちらにすべきか?

住宅ローンはライフプランの中でその位置づけをぜひとも考えていただきたい商品です。

「住宅ローンの繰上返済をしない場合、この資金はどうなるか。繰上返済以外の有効な使い道があるのではないか」という視点が借主やご家族のライフプランにとって良い結果をもたらすこともあるでしょう。

住宅ローン繰上返済シミュレーション

各金融機関では、ホームページ上で繰上返済のシミュレーションを提供しています。

無理のない繰上返済をして、また、十分に繰上返済のメリットを享受できるよう、色々と試してみて活用しましょう。

いくつかの金融機関のシミュレーションのページを下記にご案内しておきます。

住宅ローン 返済条件変更シミュレーション : 三菱UFJ銀行

住宅ローン 一部繰上返済シミュレーション : 三井住友銀行

みずほ銀行:住宅ローン一部繰上返済シミュレーション

無理のない繰上返済を行おう

ご紹介してきたように、繰上返済は住宅ローンの利息を減らすのに大変有効な方法です。

その具体的効果である期間の短縮や毎回の返済の低減など、どちらを選ぶべきかは、借主やご家族が何を重視するかによって変わるため、いわゆる正解といったものはありません。

メリットや注意点も理解して、日々の生活や長期的なライフプランへの影響も考慮したうえで、無理なく、一番良いと思える繰上返済を利用しましょう。

住宅ローンは顧客満足度が高い銀行で選ぶ

低金利が続く現在、各金融機関の住宅ローンは商品内容の差が分かりにくくなっています。

そのような中で住宅ローン選びに迷ったら、顧客満足度が高い銀行の住宅ローンを選びましょう。

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