住宅ローンの借り換えは住宅ローンの利息を減らす有力な手段です。
住宅ローン借り換えの流れ自体は新規に住宅ローンを利用する場合とあまり変わりませんが注意しておきたい点があります。
また、借り換えの目安や判断ポイントはしっかりと検討して、今の住宅ローンよりも十分なメリットが得られるかどうかを確認しましょう。
こちらでは住宅ローン借り換えの流れと借り換えするための目安と判断のポイントをご説明します。
利息の負担を減らすのが住宅ローンの借り換え
はじめに住宅ローンの借り換えについて簡単にご説明しましょう。
今の住宅ローン金利が高いと感じる時に、住宅ローン金利を下げる方法が住宅ローンの借り換えです。
住宅ローンの借り換えでは、現在利用している金融機関の住宅ローン金利よりも金利が低い別の金融機関で新たに住宅ローンを組みます。
そして、借り入れたお金で元の住宅ローンは一括返済します。
その結果、以前の住宅ローンよりも支払いの負担を軽減できるというわけです。
このように、住宅ローンの借り換えでは金利の高い住宅ローンを金利の低い住宅ローンに借り換えるのが基本的なセオリーです。
ちなみに、全期間固定金利の住宅ローン商品「フラット35」同士でも借り換えすることが可能です。
フラット35の借り換えについては下記の記事の中でご説明しています。

住宅ローン借り換えの流れ
住宅ローンの借り換えの手続きと流れは、新規に住宅ローンを申し込む時の流れとほぼ同じです。
主に以下のような流れです。
- 借り換える金融機関への申込
- 必要な書類の準備
- 借り換える金融機関での審査
- (審査通過後)現在住宅ローンを利用している金融機関への一括返済の連絡
- 借り換え住宅ローン実行と前の住宅ローン一括返済の実行
このうち、現在借りている金融機関にする住宅ローン一括返済の連絡は、借り換え申込をしている金融機関の審査結果が出てからでOKなので、早まらないようにしてください。
また、借り換えの住宅ローン実行ですが、「現在借りている金融機関の住宅ローン一括返済日」と「借り換えを申し込んだ金融機関の住宅ローン実行日」は同日であることが必要なので注意してください。
一般に住宅ローン借り換えでは、この日程調整は住宅ローン借り換えをする方がご自身で行う必要があります。
住宅ローン借り換えではこの日程調整が神経を使うところです。
住宅ローン借り換えの具体的な進め方は以下の記事でご説明しています。

借り換えの検討はいつする?借り換えの目安と判断ポイントは?
住宅ローン借り換えを考え始める時期、そして借り換えをした方がよいのかどうかの目安と判断のポイントをご説明します。
借り換えを検討する時期はいつ?
まず、住宅ローン借り換えを検討するタイミングやきっかけとしては、下記のような例があげられます。
- 現在の固定期間選択型(変動金利型の特約)住宅ローンの固定期間(特約期間)がもうすぐ終了して、優遇幅が小さくなる
- 現在の固定期間選択型(変動金利型の特約)住宅ローンの固定期間(特約期間)がすでに終了していて、とりあえず変動金利にしている
- 今は固定期間選択型(変動金利型の特約)住宅ローンで長期固定や、全期間固定金利型住宅ローンを利用しているが、より低い金利に変更したい
多いのはやはり固定10年などの条件で住宅ローンを借りて、その固定の特約が切れるタイミングでしょう。
3年や10年など住宅ローンの固定期間選択型(変動金利型の特約)を利用していると、特約期間の終了後は適用金利が高くなるケースが多いです。
住宅ローンの金利タイプについては以下の記事で詳しくご説明しています。

それから、ずいぶん前にフラット35で全期間固定していたけど、より低い金利で借り入れした方が金利差のメリットが大きいという場合もあるでしょう。
借り換えの目安と判断ポイント
住宅ローン借り換えをするかどうかを判断する際の目安とポイントですが、借り換えすることでメリットが得られる基準として、よく下記のように言われます。
- 借入残高1,000万円以上
- 金利差1%以上
- 残存期間10年以上
これらの基準を借り入れするかどうかの目安や判断ポイントに利用するのがわかりやすいでしょう。
ただし、これらは一応の目安でしかありませんから、必ずしも上の基準を借り換えの絶対条件として考える必要はありません。
例えば、金利差が1%未満でも借り換えをした方が返済が楽になる場合もあるでしょう。
メリットがある借り換えの条件(残高、金利、残存期間)はそれぞれの住宅ローン利用者やそのご家庭の状況などによっても異なるはずです。
ですから、住宅ローン借り換えを行うかどうかの判断や検討には、どれくらい返済負担が軽くなるのかなどを具体的に計算をして検討することをおすすめします。
住宅ローン借り換えシミュレーション
借り換え検討の計算が利用できる全国銀行協会が提供している住宅ローン借り換えシミュレーションをご案内しておきましょう。
借り換えた場合の効果(例.月々の軽減額、年間の軽減額、支払い総額の軽減額)がすぐに分かるので、色々と試してみて、住宅ローンの借り換えの効果をご確認されるとよいでしょう。
さて、住宅ローンの借り換えでは検討の結果、現在の住宅ローンで十分、つまり、借り換えにメリットがないという結論が出ることも当然あり得ます。
そうした可能性があることも借り換え検討では理解しておきましょう。
住宅ローン借り換えは費用がかかる
住宅ローンの借り換えは、金融機関を変更して住宅ローンを組みますので、新規に住宅ローン申込するのと同様の手数料がかかります。
主な費用は下記のとおりです。
- 事務手数料: 3~5万円
- 印紙: 2万円 ※借り換えの残高が1,000~5,000円の場合
- 登録免許税: 借り換え残高の4%
- 司法書士手数料: ~10万円 ※金融機関により異なる
- 保証料: ※利用していた住宅ローンにより異なる
住宅ローン費用について詳しくは以下の記事でご説明しています。

これらの費用は借り換え時に一括で支払うこともできますし、借り換えの残高に上乗せして借り入れることも可能です。
借り換えの残高に上乗せする方が、手元の資金の減少を最小限に抑えられることもあるので、住宅ローンの借り換えによる負担軽減の実感をより得ることができるでしょう。
借り換えによって保証料が返還される場合もある
借り換え時の保証料は、借り換え前の住宅ローン利用時の支払い形式によって異なります。
借り換え前の住宅ローン申込時に一括で保証料を支払う外枠方式を利用した場合は、借り換えによって、支払った保証料のうち、未経過分の保証料は一定の計算式に基づいて返還されます。
また、借り換え前の住宅ローンの保証料分を金利に上乗せする内枠方式を利用していた場合は、借り換え後の住宅ローンでも同じ内枠方式で上乗せ金利が同じならば、借り換えによる影響は特に出ません。
火災保険は引き継げる
借入前の住宅ローン申込時に加入した火災保険は、基本的には借り換え後も引き継げることが多く、新たな負担が必要になるケースは少ないです。
住宅ローンの火災保険については以下の記事で詳しくご説明しています。

メリットが大きい住宅ローン借り換えは、積極的に利用したい
住宅ローンの借り換え流れや目安、ポイントをご紹介しました。
実際に住宅ローンの借り換えを経験すると、金融機関の日程調整などは手間ではあるのですが、月々の支払い負担が軽減される実感は非常に大きいものです。
十分に検討することは必要ですが、積極的な住宅ローンの借り換えでそのメリットを享受したいところです。